さて、前回僕の単語学習について紹介させていただきましたが、今回はそれをもう少し深堀りします。
前回記事↓
英語講師の単語学習法①【TOEIC・英検対策】
前回のは単語の覚え方というより、その手前の作業や自身の考え方の紹介がメインになってしまい、
「結局どうやったら単語が覚えられるんだよ!?」
ってせっかく最後まで読んでくださった方に怒られそうなので…
もう少し役に立ちそうな、具体的なやり方を紹介できればなと思います。

より実践に近い形で紹介する為に、直近の英検一級の過去問を例に説明していきます。
画像検索する
単語をイメージで覚えるというのは非常に効果的です。
そのために、英単語を辞書ではなく画像検索することをお勧めします。
実際に、問題の選択肢3の”bunker”をgoogleで画像検索すると、以下のような画像が表示されます。

ちょっと画像が小さくて見にくいので、分かりやすいように左上の部分だけ拡大したのが以下です。

この画像を見ただけで、”bunker”が示すものが一目で感覚的に分かりませんか?
ちなみに”bunker”を辞書で引くと「掩蔽壕、掩体壕、貯蔵庫、石炭櫃」などと出てきます。
前の二つなんて、日本語でも滅多に見ない言葉ですね。
「貯蔵庫」ならまだイメージしやすいですが、
「じゃあ”storage”や”warehouse”と何が違うの?」
と、文字情報だけでは似たような意味の単語と区別がつきにくいです。
しかし、画像を見れば一発でそのイメージが掴めるはずです。
英語を使用する上で大事なのは、いかに脳内で日本語を介さないかだと僕は考えています。
簡単な例を挙げると、下のような感じです。

“apple”という単語を見たときに、いちいち日本語の「リンゴ」に頭の中で変換してから実物を思い浮かべるか、いきなり実物を思い浮かべるかを考えてみてください。
ほとんどの方は上のように一度日本語が入るのではなく、下のようにいきなり実物がイメージ出来るはずです。
これをもう少し進めて考えてみます。

英語が苦手な人、習いたての小中学生などは大体上のプロセスで考えます。
しかし英語に慣れていくほど英文からイメージまでのプロセスが省略されていき、最終的には下のように英文を見たり聞いたりしたら一発でその情景が頭に浮かぶようになります。
上の例は非常に簡単なので、大半の方が日本語に変換する必要なく情景が頭に描けたはずです。
しかし、単語が難しくなり、文構造が複雑になり、一文が長くなるほど、日本語を介して考える必要が出てきます。
そのプロセスを限りなくゼロに近づけて、英文を見たり聞いたりした瞬間に情景が頭に浮かび、文が示す情報が過不足なく正確に理解できること、それが恐らく世間で言われる、「英語を英語のまま理解する」ということだと思います。
これが自然とできるようになるには、英単語とその単語が持つイメージを直結させて頭に入れておくこと必要があります。
英文の意味を理解するのに毎回日本語を介していては、読むのも遅くなるし、聞き取りも話についていけなくなるし、とっさに思ったことを口に出すのも難しくなります。
日本語を介さず英語を使えるようになるために、映像とセットで単語を覚えておくというのは非常に効果的です。
もっと極端な話をすれば、英単語とそのイメージが結びついているなら、その単語の日本語訳を知ってる必要もありません。
これも分かりやすいように例を挙げて説明します。
下の道具の名前はご存じでしょうか?

恐らく大半の方が「ダンベル」という言葉を思い浮かべたはずです。
ほぼほぼ日本語化していますが、「ダンベル」は”dumbbell”と表記して元々は英語です。
ではダンベルの日本語はなんて言うのでしょう?
正解は「鉄亜鈴(鉄アレイ)」です。
最近の若い子は、この呼び方を知らない子の方が多いのではないでしょうか。
でも別に知らなくても困りませんよね。
上の道具を見たら「ダンベル」と思い出せばいいですし、”dumbbell”と聞けば上の道具が即座に頭に思い浮かぶはずですから。
「bunker=掩蔽壕」も同じです。
掩蔽壕という日本語を介さなくても、bunkerを見たときに上で最初に示した画像が頭に浮かべばそれで充分です。
掩蔽壕なんていう馴染みのない言葉まで覚えて、それを介してイメージまで連想する必要はありません。
ただし当然ですが、全ての単語でこの方法が使えるわけではありません。
抽象的な名詞は画像化されにくいですし、形容詞や副詞なら尚のことです。
しかし、基本的な身体動作や物体名を表す単語なら大体は分かりやすい画像が出てくるので、辞書を引く前にまず画像検索をすることをお勧めしたいです。
英英辞典を使う
次は画像検索をしてもイマイチ意味が分からない単語の場合どうするかを紹介します。
選択肢1のroutはそれに該当する単語でしょう。
調べてみても以下のような感じで、

これを見ても「あ~なるほど」とはならず、逆に「何だコレ?」という感じです。
こういうとき、次に使うのは英和辞典ではなく英英辞典です。

意味の説明でcomplete defeatとあるので、defeatを既に覚えている方ならその強調版として頭に入りやすいと思います。
それから発音を確認したり、名詞なので加算か不可算かを確認したりします。
更に例文を読んでいってどういう場面で使うのかを学び、自分でも使えそうな表現を前後の単語とセットで覚えたり、実際に英会話をしてる際に使えそうな場面を想像したりします。
(例文の中で知らない単語があれば、リンクを踏んでその単語も同様に調べていきます)
今回のroutの場合動詞の意味もあるので、そちらの意味や例文も当然確認します。
ここまでやれば大体の単語のイメージは掴めるようになります。
そしてroutを学んだことでdefeatという単語が持つニュアンスへの理解も深まります。
このように、新しい単語を学ぶ中で既存の単語の知識をアップデートし、記憶同士の連携を強めていくことは非常に効果的だと考えています。
前回記事でも書きましたが、僕は学習において調べるという行為に最も時間をかけます。
それはその時間こそが最も知識の強化に必要だと感じているからです。
ここを面倒くさがって安易な丸暗記に走ってしまうと、中々単語が頭に入らない、覚えたはずの単語が思い出せない、覚えているのに使えないと、結局成果に繋がらない形だけの勉強になってしまいます。

安易な丸暗記というのは、このように英和辞典を引いて、一番上に書かれた日本語だけを見て
「rout=敗走」
と機械的に覚えようとすることです。
それだと何のインパクトも無いので頭に残りにくいし、”lose”や”escape”と何が違うのかも分からないし、加算か不可算か、どういう単語とセットで出やすいのかなど、何の情報も入ってきません。
またその覚え方だと、単語が示す情報や情景がイメージするのに必ず一度日本語を介する癖がついてしまいます。
英語を英語のまま理解するには「rout=敗走」、「defeat=敗北」とバラバラの知識を入れるのではなく、”rout=complete defeat”と、英語どうしで脳の回路を繋いでいく必要があります。
断っておきますが、英和辞典を使うこと自体を否定しているわけでは全くありません。
英和辞典でも細かく見ていけば有益な情報がたくさん書かれてあります。
英英辞典を使うのがまだ難しい人は、まずは英和辞典で詳しく情報を読み取る癖をつけ、知識が増えてきたのちに英英辞典も併用していけば更に英語学習が捗るはずです。
ともかく、分かりやすく目立つ情報だけさっと見て、そこを丸暗記するだけの勉強では駄目だということです。
使えない知識では意味が無い
昨今では、メモリースポーツと呼ばれる、記憶力を競う大会があります。
ランダムに並べられたトランプのマークと数字を端から覚えたり、架空の歴史の出来事と年号を覚えたり、人物の写真と名前の組み合わせを覚えたり…
そのような競技においては、より速く多く丸暗記する能力こそが重要でしょう。
数字や画像の並び、人物や出来事の名称自体に意味はありませんから。
しかし、英単語の暗記はそうではいけません。
単語というのは全てがそれぞれ何らかの情報を指し示し、それぞれに相応しい使い方があるものです。
それを正確に詳しく把握していくことが単語学習です。
上っ面の文字だけを覚え、それをそのまま思い出せるというだけでは実用には繋がりません。
僕が前回や今回で紹介した学習法は、これが絶対に正しいというものではなく、ただ自分に合っているというだけです。
しっかり頭を使って単語のイメージを掴み、用法を理解出来るなら、これらのやり方である必要は全くありません。
重要なのは、表面的な情報を機械的に頭に入れるだけ、という勉強をしないようにすることです。
厳しい言い方をすれば、それは勉強というより作業に近いものです。
そもそも、この自分の学習法紹介の発端として、「回数を目標にするのは良くない」という旨の記事を書きました。
回数を目標にすることの危険性【英語学習】
「単語帳を何周読むか」を目標にしている人ほど、今回注意した「機械的な暗記」にかける時間が多いように思います。
単語の暗記を頑張っているのに中々頭に入ってこない
何十周も単語帳を読んだのに、試験の結果に繋がらない
単語はたくさん覚えたはずなのに、全然英語が喋れない
そのように悩んでいる方は、今回の記事を参考にしていただいて、ご自身の勉強の仕方を見直してみてはどうでしょうか。
最初は上手くいかなくて苦労もするでしょうが、一度自分に合ったやり方が見つかれば今の停滞を一気に打破することも可能になるはずです。
長くなってきたので今回はこのあたりで…
更に次回、まだここまでで紹介出来てないやり方を、残っている単語二つと合わせて説明させて頂きたいと思います。


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